Vol.56 歯周病予防の可能性、プロバイオテクス:乳酸菌LS1
2007/05/14
虫歯だけでなく、歯周病にも効くお薬のお話です。
今までもお口の健康によいとされたキシリトール等は虫歯を抑えることが示されていましたが歯周病に関しては特に効果が示されていませんでした。しかしこのたび発売されたLS1と名付けられた乳酸菌は歯周病も抑えることが出来るのではないかと注目されています。
また、このLS1を利用するアプローチは今までの疾病を克服する考え方の主流であった殺菌(アンチバイオティクス)と違い、善玉菌を増やすことにより悪玉菌の活性を抑えるというプロバイオティクスの考え方を口腔内に適用した点が全く新しいといえます。
今まで医療は害を及ぼす菌を殺菌しようと抗生物質を使って(アンチバイオティクス)つまりは菌と戦う事でそれを抑えようとして来ましたが、それは一時的に抑えることが出来ても、菌は耐性をつけ進化し、次第に抗生物質が効かなくなるという問題を起こしていました。その為また新たな抗生物質の開発が必要となり、結局そのいたちごっこをしていたわけですが、乳酸菌を利用するというプロバイオテクスは害となる菌を直接殺そうとするのではなく、悪さをしないこの菌を加えて共存させることにより結果的に悪い菌の繁殖を抑えようというものです。
この乳酸菌は元来人の口の中で住んでいて悪いことをしないので善玉菌とみなされ、歯周病を起こす菌よりも増殖スピードが速いことが特徴。つまり歯周病菌より早くお口の中で広がり歯周病菌の増殖を抑えながら、ある程度増えると自分が出す乳酸によって自己破壊が起き、増えすぎないようになるという都合がいいもの。
このたびタブレットとして発売され、一粒に約2億個の生きたLS1を配合しています。
製品のデータによると毎日このタブレットを服用し、4週間後の唾液中の歯周病菌数を調べると平均1/20に減少したとあります。口臭も消失または減少が認められたそうです。それでいて口の中の菌の総数は変わらないとの事。菌を減らすよう殺菌しているのと違わけです。
新製品の効果は時間が経ってみないと分かりません。これを服用することが数年後にスタンダードになっているか、神のみぞ知るというところです。